1990年に発足した「トトロのふるさと基金委員会」が取得した初めてのトラスト地です。
コナラやスギを主体とした雑木林で、「狭山丘陵いきものふれあいの里スポット2(虫たちの森)」や「さいたま緑のトラスト基金トラスト2号地」に隣接していますが、急な斜面に太いスギなどが生育しているため、落ち着いた雰囲気の場所になっています。
この森の周囲は一面の雑木林で、クヌギ、コナラ、ヤマザクラ、エゴノキ、イヌシデ、アカマツなど、いわゆる武蔵野の雑木林を代表する樹木がほとんどそろっています。
取得当時は2mほどもあるアズマネザサで覆われていましたが、ボランティアの方々の管理活動により刈り払われ、今では雑木林としての美しさがよみがえっています。
「トトロのふるさと基金委員会」で取得したトラスト第2号地です。
狭山丘陵の東の端の鳩峰公園に隣接しており、「狭山丘陵いきものふれあいの里スポット4(雑木の森)」の中にあります。
コナラ・クヌギやアカマツなどを主体とした典型的な武蔵野の明るい雑木林です。
遊歩道に面した一角には野外テーブルとベンチがあり、新緑の季節には渡り途中の夏鳥や春の山野草などを観察しながらゆっくりと休憩ができます。
現在、ボランティアの方々で下草刈りなどの管理作業を継続しています。送電線の下は、樹木を一部伐採し萌芽更新をするとともに、小学校で育てたどんぐりの苗を植える環境教育の場としています。
トトロの森3号地は、「トトロのふるさと基金」が「財団法人 トトロのふるさと財団」になって 初めて取得したトラスト地です。
コナラやヒノキを主体とした雑木林で、1991年に取得した「トトロの森1号地」に続く道の入り口にあたります。
ボランティアの方々による管理作業で、ヒノキや枯れたアカマツを伐採し、明るい雑木林に戻りました。2011年に取得したトトロの森15号地と一体となった雑木林として管理しています。
ここは、狭山湖を取り囲む(通称)周囲道路に面し、以前は豊かな緑地が続いていました。しかし近年、資材置き場や作業場、残土置き場といった小規模に林を切り開く開発が増加し、このあたりの緑は少しずつ少なくなってきています。
そこで、私たちはこういった状況を少しでもくい止めるため、この土地の取得を決めました。
取得した当初、竹が生い茂り、斜面下は栗林となっていました。竹(モウソウチク)が、コナラの雑木林に後から入り込み、コナラを枯らせてしまったようです。現在、ボランティアによる継続的な竹の間引き作業で、明るい竹林になってきました。間引いた竹は、炭焼きをして竹炭として、管理作業のときに活用しています
また、2003年3月23日に、明るい雑木林にしていくため、コナラとクヌギの苗を会員・寄付者の方々と植樹しました。このイベントは、土地取得(2001年)の際に開催した「トトロの森4号地見学会」で拾ったどんぐりを参加者の自宅で育て、その苗を植えもどすというものでした。現在、植えられた苗は元気に育ち、2007年3月には、移植して定植するまでになりました。
ここは、埼玉県がすすめている「緑の森博物館」の事業計画地に含まれていますが、地主さんに相続などの問題がおこっても埼玉県では買い取ることが難しい状況とわかりました。
私たちはこの5号地を取得することで、確実な保全策を行政とともに考えていきます。取得当時、林床にはササが生い茂ってはいるものの、細い樹木の多い若い林であることがわかりました。現在は、ボランティアによる継続的な下草刈りで雑木林らしくなりました。2013年には森の一部で萌芽更新のための伐採作業を実施しました。
6号地は、開発が進む狭山丘陵の東部地域にあり、住宅地の中に残った貴重な樹林地の一部です。
南側の隣接地は、すでに広い住宅地となっています。北側から西にかけては、地中を東京都水道局の巨大な送水管が通るアルペンロードで、菩提樹田んぼに続く樹林地が残っています。
ここは斜面の急な山林で、大きく育ったクヌギが多いのが特徴です。以前は落ち葉はきをして堆肥に使っていたことがうかがわれます。
今まで、管理があまりされていなかったため、下草も生い茂っている状況ですが、周辺の子供たちの遊び場にもなっているため、地域の人たちとも協力しながら、明るい雑木林になるように管理していきたいと考えています。
現在は、6号地の半分は明るい雑木林になりました。残りの部分の管理計画を検討しています。
7号地は、所沢市がゴミの最終処分場建設候補地としていた、北野の谷戸の中に位置しています。トトロのふるさと基金は狭山丘陵に残された貴重な谷戸を候補地から外すよう、行政に要望してきました。谷戸の中の土地は農地として登記されているところが多く、私たちは取得することができませんでした。そこで私たちがトラストできる山林を取得することで最終処分場の建設を食い止めようと、地権者の方との交渉を重ねてきました。
最終処分場は「狭山丘陵の自然公園内には建設できない」という県の方針によって見送られましたが、谷戸の景観と豊かな生態系を保全するためにトラスト地取得の交渉は続けられました。
地元の方々の協力のもと、北野の谷戸に田んぼを復活させ、里山の景観を取り戻す取り組みが始まっています。そのような中、地権者の方に谷戸の保全にご理解をいただくことができ、交渉がまとまり7号地の取得に至りました。現在は竹が生い茂っていますが昔はいわゆる雑木林(ヤマ)であったようです。北野の谷戸の保全におけるシンボル的な場所にしたいと考えています。
8号地は、所沢市椿峰から上山口、雑魚入りの雑木林に向かう入口に位置しています。この雑魚入り地区にはトトロの森1・3号地のほか、埼玉県のトラスト2号地や所沢市の公有地が広がり、樹林地を形成しているところです。この周辺は、資材置き場や住宅の建設といった開発に侵食されつつあるところでもありますので、ここでのトラスト地取得は、この周辺に残された、管理された美しい雑木林を保全していく目的をもっています。
9号地は、面積にすると100㎡にも満たない、バブルの折に開発され、宅地として分譲された土地の一部です。
ここは、住宅を建てることのできない市街化調整区域です。それにもかかわらず造成され、ゆくゆくは住宅建築が可能になるという触れ込みで売りに出されました。
今回私たちにこの土地を売ってくださった地権者の方もそれを信じ購入したものの、住宅建築はかなうことのないまま高齢になり、毎年の草刈などの手入れが難しくなっていました。そこで、この地権者が市役所に相談にいき、私たちが紹介され、交渉の末、9号地の取得に至りました。
狭山丘陵には、このような開発地やゴミの投棄された場所なども数多く存在します。多くは資材置き場などになっていますが、最近では放置されていることも珍しくありません。そのような小さな土地を、私たちはトラスト地として確保し、丘陵の緑の回復に努めていきます。
所沢市三ヶ島に、私たちと協力関係にあるボランティア組織『ゆめとこファーム』が落ち葉掃きなどを行なっていた雑木林がありました。この林の地権者の方は、高齢のため自分では管理ができなくなってしまったものの、ヤマは残したいという想いをお持ちでした。
そんな折、この地権者の方がトトロのふるさと基金の活動を知り、雑木林を買い取ってほしいと申し入れたのです。
緑を残していきたいという地権者の想いと基金の意向が合致し、トトロの森10号地として取得することができました。狭山丘陵は、今もあちらこちらで緑が失われつつあります。私たちは、狭山丘陵の緑を後世に遺していくために、これからもナショナル・トラスト活動に取り組んでいきます。
この土地は、北野の谷戸を構成する北向き斜面に位置し、湿地をはさんだ向かい側にはトトロの森7号地があります。
北野の谷戸は、かつて所沢市の最終処分場建設候補地となり、埋め立てられ、なくなろうとしていました。市民の反対運動もあり、処分場建設は見送られましたが、その後もトトロのふるさと基金では残された谷戸の保全に取り組んできました。
谷戸の自然環境の豊かさや保全の方策を地元の方とともに学ぶ「北野の谷戸のつどい」や自然環境調査を継続的に実施し、2009年12月には北野の谷戸保全プロジェクトを始動。水田を復元して、かつての谷戸の風景を取り戻すとともに、トンボやカエルなどの生きものがよみがえる環境の整備を目指しています。
この土地は、所沢市北中から東狭山ヶ丘にかけて広がる平地林の一角を占めており、埼玉県が指定した「北中・水野の森ふるさと景観地」となっています。広大な雑木林と畑の組み合わせによって、北中の地域にはなつかしい武蔵野の風景が今に残されています。
私たちは、狭山丘陵周辺に広がる貴重な武蔵野の雑木林の保全が推進されることを願って、この土地を取得することにしました。
なお、この土地の隣接地にはかつて大きな墓地の計画が立てられたことから、地元の方々を中心とした反対運動が起こり、私たちもそれに協力して保護活動をおこなってきました。
ここは、北に向かってなだらかに低くなっている雑木林です。クヌギやコナラ、エノキなどが生育していますが、モウソウチクが進出しつつあります。
林床には、数は少ないものの埼玉県の絶滅危惧Ⅱ種(絶滅の危険が増大している種)に指定されたカタクリが確認されています。カタクリの生育地は、埼玉県側の狭山丘陵ではわずか数箇所になってしまったと考えられます。
トトロの森14号地は、狭山丘陵を水源とする砂川掘が、小手指ヶ原古戦場を流れ下る途中にある小さな河畔林です。
大きなクヌギやコナラ、ミズキ、アカシデなどが生育しています。>
トトロの森15号地は、トトロの森3号地に隣接する、西向きの明るい雑木林です。
コウヤボウキやヤクシソウ、センニンソウなどの植物が林床を彩ります。
トトロの森16号地は、私たちが谷戸田の再生に取り組む北野の谷戸の北側の斜面に位置しています。
トトロの森7号地、11号地にもほど近く、コナラやシラカシ、ヒサカキが生育しています。
トトロの森17号地は、東京都側で初めてのトラスト地です。
柳瀬川の河畔林であり、都市部に残された貴重な自然として保全していきます。
トトロの森18号地は、畑を主体としたなだらかな丘陵地の一画にあります。
良好な里山環境のなかにあり、貴重な湧水地に隣接していることから、取得しました。
トトロの森19号地は、狭山湖畔霊園と西武園ゴルフ場、西武ドーム球場にはさまれた形で残された菩提樹池周辺緑地の一画にあります。
1999年から取り組んできた菩提樹池保全の取り組みが形となりました。
トトロの森20号地は、早稲田大学所沢キャンパスの正門から南東方向に約100m。
散策路に面した平坦な雑木林です。
トトロの森21号地は、20号地に隣接する平地林。
いきものふれあいの里スポット3のエリア内にあり、広く残された緑地の一画を占めています。
トトロの森22号地は、狭山湖堰堤の北端からすぐそば。
美しくのどやかな里山環境がはじまる場所にあります。
トトロの森23号地は、住宅地に囲まれた雑木林です。
6号地と一部の境界を接していて、一体として貴重な自然環境を保全できる場所にあります。
この土地は、西武狭山線下山口駅から南西におよそ1キロメートルのところに位置しています。
2003年に取得したトトロの森6号地と接しており、6号地とともに豊かな自然環境を構成しています。
西側には小さく区画された箇所があり、現在は家庭菜園として利用されています。
植生は、コナラを主体とする雑木林で、長い間管理されずに放置されたため林床にはヒサカキやシュロなどが生い茂っています。
この土地は、開発により失われつつある所沢市山口地区の緑地のうち、トトロの森6号地を中心とした良好な樹林地の一部を後世しており、6号地とともに保全を進めていくうえで必要と判断し、取得しました。
トトロの森24号地は狭山湖周囲道路から100メートルほど北に位置しています。
周辺には資材置き場が点在し、1980年代以降に小規模な乱開発が集中して行われてきた場所です。
トトロの森25号地はトトロの森6号地に隣接し、23号地にも至近の距離にあり、一帯に広がる豊かな森の一画です。
トトロの森26号地は、トトロの森20号地、21号地を含んで広がる早稲田大学周辺緑地の中にあり、埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里スポット3に含まれる美しい森です。
トトロの森27号地はトトロの森14号地に隣接し、希少野生植物の宝庫となっています。
護岸工事が行われていない砂川堀そのものが現在ではたいへん貴重な自然護岸の河川であり、この土地と併せて砂川堀流域の保全活動に取り組んで行きます。
トトロの森28号地はトトロの森1号地を含む雑魚入樹林地から西に広がる豊かな緑地の一画にあります。
トトロの森29号地はトトロの森22号地とともに、狭山湖を取り囲む豊かな森が始まる位置にあります。
トトロの森30号地はさいたま緑の森博物館案内所の近くにあり、絶滅危惧植物であるヒメザゼンソウの群生地に隣接しています。入間市で初めてのトトロの森です。
トトロの森31号地はトトロの森20号地と21号地に隣接する雑木林です。ほぼ平らな土地で、早稲田大学周辺に残された良好な緑地の一画を占めています。
トトロの森32号地は六ツ家川の最源流部にあたり、谷頭部として保全重要度の高い場所です。所沢市が2014年に指定した「北野南二丁目里山保全地域」に含まれています。
トトロの森33号地は早稲田大学周辺に広がる緑地の一画にあり、2014年に取得したトトロの森26号地に隣接しています。
トトロの森34号地はホタルの生息が確認されている湿地に面しています。
狢入の樹林地にはすでにトトロの森6号地、23,25号地があります。今回の2つの森の取得によって、狢入地区でのトトロの森の合計面積は1ヘクタールを超えることになりました。
トトロの森37号地は狭山丘陵の東端、八国山緑地にあります。
38号地は、29号地と道を挟んだ向かい側にあります。
39号地は、狭山湖の東側、尾根筋の舗装路に面しています。
40号地は、東京都東大和市、多摩湖自転車道に面しています。
41号地は、葛籠入周辺の良好な緑地の一角です。
42号地は、砂川の自然護岸の河畔林です。近づく道がないため、近隣へのご迷惑防止のため閉鎖しております。
43号地は、コナラやヤマザクラ、杉が見られる良好な平地林です。
この土地は、所沢西高の東に位置し、砂川の調整池に隣接しています。樹高の高いコナラやヤマザクラなどの樹木が生育し、敷地の境には杉の列植が見られる良好な平地林です。
<この土地を取得した理由>
「この土地は小手指駅から直線距離で700mほどの近さにあるため、現在は市街化調整区域になっていますが、従来から開発圧力が高いところです。
埼玉県の「ふるさと埼玉の緑を守り育てる条例」第7条に基づく「小手指ふるさとの緑の景観地」によって当地一帯が指定されていますが、本件土地は取得時はそれに含まれておらず、開発によって失われる可能性が高い土地でした。
近くの所沢西高の生徒たちから親しまれている場所であり、高校生の野外学習の場としての有効な活用が期待されるなど、取得して保全する意義は高いと判断し、この土地を取得しました。
44号地は、東川の上流部に位置し、北野地区では貴重となった平地林です。この土地は、所沢の中心市街地を流れる東川の上流部に面し、北野総合運動場に近い平地林(約1.5ヘクタール)の一画にあります。
ウワミズザクラやシラカシが生育し、深い藪が林床を覆っていて、管理が全くなされていない様子が見て取れるところです。
45号地は、トトロの森1号地のある斜面の上部の尾根道沿いにあり、1号地にも接しています。昭和52年(1977年)の頃に小さく区割りして分譲されたうちの一画です。以前は竹が生えていましたが、竹はすべて切り払われ、現在樹木は全く見られません。周囲の背丈の高い樹木にこの土地の全体が覆われていますが、一部には芝が張られています。
地権者から買い取りの申し出があり調査したところ、この土地には樹木はなく裸地状態でした。トトロの森1号地の隣接地であることから、1号地周辺の環境をできるだけ良好に保っていきたいと考えています。今後、周辺の環境に合った植栽を進めていくことで、1号地を含むこの地域全体の環境保全につなげていく必要があると判断し、この土地を取得しました。
46号地は、狭山丘陵の比良の丘から1キロメートルほど北にある平地林の一画です。 この土地は、狭山丘陵の比良の丘から1キロメートルほど北にある平地林(およそ2ヘクタール)の一画で、周囲は畑の広がる里山となっています。
林床はアズマネザサに覆われ、管理不十分の様子が見て取れますが、生育する高木のほとんどがコナラの良好な雑木林です。所沢市と入間市との市境に位置し、近くには狭山ヶ丘学園の総合グラウンドがあります。
<この土地を取得した理由>
ここは、圏央道の入間インターチェンジから近いために、物流関係の駐車場等の需要が高い地域であり、所沢市は「三ケ島工業団地」に指定する構想をもっていると言われています。また、この土地の西側にある市境の道を拡幅する計画があるとも聞いています。もし工業団地になって道路が整備されたりすると、この平地林は開発されてしまう恐れが強くあります。 丘陵部と至近距離に所在するまとまりのある雑木林は、生きものの移動や生息にとって重要な役割を果たしていることから、可能な限り保全していく必要があります。畑が広がる所沢市林地区及び隣接する入間市宮寺地区の里山景観を保全する意味も合わせて、この雑木林を取得しました。なお、所沢市林地区での森の取得は今回が初めてです。
47号地は、開発の恐れのあった東大和市と武蔵村山市の市境にある雑木林です。狭山丘陵の東京都側に残された貴重な緑地です。この土地は、東大和市と武蔵村山市の市境にある雑木林です。クヌギやコナラなどの樹高は全体的に5メートル程度と低く、アズマネザサが一面に生育しています。狭山丘陵の南斜面にあり、近くにはトトロの森40号地があります。
全域が都市計画芋窪緑地の区域に含まれていますが、東京都ではこの区域は重点整備地区になっていないことを理由に、当面買収する予定はないとしていました。
2003年から2004年にかけて、宅地開発業者がこの土地を買収し、2008年に開発許可を取得しました。ここは狭山丘陵の東京都側に残された貴重な緑地であることから、私たちは計画の中止と緑地保全を要望し、土地の譲渡を求めて価格交渉を行ってきました。その後、業者は事実上倒産し、代わりに宗教法人による墓地開発計画が2012年に明らかになりました。住宅地に隣接する1,500区画の大規模墓地を作る計画であることから、地元で反対運動が展開され、東大和市議会では計画中止を求める陳情が趣旨採択されていました。2017年になり、抵当権実現のための裁判所による競売が始まりました。私たちは、この貴重な自然を残したいと考え、競売に参加して取得することができました。
私たちがこれまでに取得したトトロの森のうち、今回の森が最大の面積の森であり、取得価格も最高額となりました。
48号地は、トトロの森15号地の南側に隣接する雑木林です。この土地は、トトロの森15号地の南側に隣接し、トトロの森1号地に向かう緑地への入り口に当たります。南に向かって傾斜した地形で、雑木林に孟宗竹が侵入しており、スギやシラカシの高木が生育しています。
2018年2月に、地権者から無償寄付の申し出がありました。この土地は、雑魚入地区の良好な自然環境の入口部分に当たり、当地一帯の自然保護にとって重要な山林であると考えられますので、申し出に応じて寄附受領しました。
49号地は、所沢市堀之内地区の比良の丘と金仙寺とのほぼ中間にある山林です。里山景観に優れており、保全する価値がたいへん高いところです。
シラカシや真竹も混じり、管理不十分の様子が見て取れますが、ヤマザクラやコナラの高木が生育する良好な雑木林です。堀之内地区の里山景観が楽しめる散策路に面しており、小さな墓地とは市道をはさんだ場所にあります。
堀之内地区は、里山景観に優れており、保全する価値がたいへん高いところです。所沢市に対して里山保全地域指定などの保全措置を促すきっかけづくりの思いも含めて、本件土地を取得しました。
50号地は、狭山湖の北側にあるトトロの森29号地から「どんぐりの小道」と呼ばれる歩行者専用の小道をたどって下った終点あたりにある山林です。
コナラやアカシデなどの樹木が見られる雑木林で、丁寧な管理が行われています。
この土地をお持ちの方の1人に相続が生じたことから、買い取りの申し出がありました。
併せて、親戚筋に当たる地権者の山林も一緒に買い取ってほしいということでした。
どんぐりの小道は車の通行を排除した心地よい散策道で、トトロの森1号地のある上山口地区からクロスケの家へ向かって歩く多くの市民に利用されています。
どんぐりの小道に接するこの山林は、周辺の里山景観の素晴しさとともに、保全する価値がたいへん高い土地です。
1960年代頃まで水田耕作が行われていたと思われる湿地には、周辺から樹木が大きくせり出し、陽射しをさえぎっています。
湿地内にはミヤマシラスゲやミゾソバという植物が生育しています。
また、この湿地では準絶滅危惧種のヘイケボタルが確認されているなど、狭山丘陵における貴重な環境となっています。
上流部のかつての畑は、大きなクヌギやミズキが生育する森林になっています。
ここに隣接するトトロの森34号地を含む周辺の山林は、湿地に向かって傾斜した地形で、湿地の水源涵養地となっています。
トトロの森12号地の北方400メートルほどのところにある雑木林で、「北中ふるさとの緑の景観地」に指定されている広大な平地林の一部となっています。
手入れ不足の樹林地で、コナラやシラカシが密に生育しています。
道をはさんで反対側は狭山市であり、作付けされていない畑が広がっていて、近くには特別養護老人ホーム「むさしの園」があります。
東狭山ヶ丘を含む平地林は、オオタカやフクロウの生息が確認されているなど良好な自然環境を保つ広大な樹林地です。
しかし最近、大型重機が地面を掘削して大きな穴をあけるなどの乱暴な開発行為が確認され始めていて、県や市の保全の取り組みとともに、ナショナル・トラスト活動による取得・保全が必要となってきました。
狭山湖からクロスケの家方面に向かって歩くときに使われる、「どんぐりの小道」と呼ばれる散歩道に面している良好な雑木林です。
コナラやシラカシの高木が生育しており、近くにはトトロの森50号地や同29号地、38号地があります。
どんぐりの小道からは、ブドウ園などの広がる里山の美しい風景を眺めることができます。
これまでに取得し保全してきたトトロの森50号地などと合わせて、
周辺一体の自然環境の保全に寄与することになると判断し、取得しました。
所沢市北野総合運動場の近くにある1.5ヘクタールほどの広さを持つ雑木林の一画にある山林で、東川の源流域に当たります。
コナラやケヤキなどが生育する良好な樹林地ですが、一部にはモウソウチクが侵入しています。
この辺りの昔の字名は「泉」となっていて、古来、水の豊かな場所だったようです。
河川の源流域にある森は、保全する必要性が高いところです。
この森の取得は、隣接するトトロの森44号地を含む樹林地を保全するうえで必要であると判断しました。
なお、前の地権者との話し合いによって、危険な樹木の処理などはあらかじめ済ませていただきました。
2020年7月に取得したトトロの森54号地に隣接した森で、ヤマザクラ、コナラ、ヒノキの大木があります。
手入れ不足のため、低木のヒサカキが密に生育しています。
U字溝の水路は東川の支流の「大川」と呼ばれていて、水路の反対側は所沢市北野総合運動場になっています。
トトロの森54号地(3691.48㎡)と一体となった管理を行うことにより、東川流域の樹林地の保全に効果的であると判断しました。
1ヘクタール強のまとまりのある雑木林の一画にあり、地形はゆるやかに東に向かって下っています。
西に多摩湖、北には八国山緑地が、それぞれ1キロメートル弱のところにあります。コナラやクヌギが主要な樹種ですが、一部にナラ枯れの被害が認められます。樹林地内の管理は比較的良好で、ヤマユリやヒヨドリバナが確認できました。
相続が生じたために、地権者から私たちに買い取りを希望する相談がありました。
この土地は、多摩湖から流れ下る北川と、狭山丘陵の南斜面の水を集める前川にはさまれた、かつての狭山丘陵の樹林地の最東端にあたります。
市街化区域内のため周辺の市街化が急速に進み、今ではこのあたりで最後に残された雑木林といえます。東村山市内に残された貴重な緑地を保全していくために、取得しました。
なお、この土地に隣接する良好な雑木林(9,208㎡)については、今後、東村山市と相談しながら、そのすべてを保全するための方策を探っていきます。
狭山丘陵から2キロほど離れた、コナラやヒノキの大木が目につく平地林です。
かつての新田開発の様子がうかがえる区画割によって残された、広大で深い森の一画にあります。
付近の森ではオオタカの営巣が毎年確認されているほか、多くの貴重な動植物の生育・生息地となっています。
この平地林では少しずつ開発が進んでいて、特別養護老人ホームや老人保健施設が複数立地しているほか、資材置き場や廃棄物保管積み替え施設などが目に付きます。
JR八高線を境にして東側の地域は、砕石工場などが立地する工業団地となっています。
南には幹線道路の国道16号線が走り、北に少し離れたところに圏央道の青梅インターチェンジがあり、物流系の開発圧力が今後強まるおそれがあります。
狭山丘陵が所在する5市1町のうち、いまだ「トトロの森」がないのは武蔵村山市と瑞穂町だけです。
当基金の「2021-30長期構想」では、重要課題としてこの二つの市・町での土地取得実現を掲げており、今回初めて瑞穂町において「トトロの森」が誕生することになりました。
この土地を含む平地林の全体の規模はおよそ30ヘクタール。
都内最大級の規模であり、狭山丘陵及びその周辺地域の生物多様性確保の観点から、極めて重要な場所です。
早く保全措置を講じないと開発されて失われてしまいます。
今回の取得をはずみにして、平地林全体の保全を都や町に働きかけていきます。
国立病院機構西埼玉中央病院の敷地と道路を挟んで隣接している雑木林で、一部は砂川の河川敷に接しています。コナラやヒノキの大木が見られますが、道路沿いは一定の幅で樹木を間伐し、明るくなっています。
砂川は、狭山丘陵と小手指や北中にある平地林をつなぐ生きものの移動経路となっており、この河畔林はそうした重要な役割の一部を果たしていると思われます。
またここは、埼玉県が2014年に指定した「所沢市小手指ふるさとの緑の景観地」に含まれており、恒久的な保全が求められているところです。
全域がうっそうとした樹林地であり、コナラなどのほかヒサカキやシュロが目につきます。孟宗竹も多く見られます。
ここは「泉の森」と呼ばれるまとまりのある樹林地の一画で、泉の森にはトトロの森44号地、54号地、55号地があります。
このあたりでは人の姿はほとんど見られないために、貴重な動植物の生息が確認されています。
公益財団法人 トトロのふるさと基金
〒359-1164
埼玉県所沢市三ヶ島三丁目1169-1
Tel.04-2947-6047
Fax.04-2947-6057