
*** コナラの間伐記録 ***
*** 1月9日 ***
*** 山神さまへ安全祈願 ***
身が引き締まるような冷え込んだ朝ですが、晴天に恵まれました。新しい年を迎え最初のヤマ仕事、お神酒と海・山・畑の産物をお供えに、
山神さまに、この一年の安全を祈願して、ヤマの作業に入りました。

*** 枝下し作業 ***
西向きの斜面林に大きく成長したコナラ、樹齢50年超、樹高10mを越え、お陽様を求め西側に張出した枝の処理です。
高所に登り、枝の落下防止と下ろす方向を決めるロープをもう一本、
太い枝に掛け、それから枝を切り慎重に地上に降ろします。


*** コナラの幹を伐採 ***
枝を落とされた太い幹、倒す方向を決め、倒す方向に受け口を幹の太さの1/3程切り込み、反対側に追い口を作り、そこに楔を打ち込み伐採の準備です。
この写真では左の方向に幹を倒します。

*** 伐採されて ***
隣接するコナラの太い枝にワイヤーロープを通しクレーン代わりに、もう一本のロープを倒す方向決め、追い口の弦を切落とします。
この時、ワイヤーロープで吊られた幹は、そのまま倒れることなく、
宙吊り状態となった幹を、目的の方向にロープで調整しながら倒します

*** 幹は玉切りされ薪に ***
太い幹は、ストーブ用の薪として30~40cmの長さに玉切りします。玉切りされた幹は、生木のうちに鉞で薪割りをし乾燥させます。
一夏を過ぎれば充分乾燥し、煙の少ない薪として使えるでしょう。

*** 粗朶:枝の処理 ***
伐採されたコナラは、木の太さによりいろいろの目的に利用されます。幹の部分は薪に、太い枝はシイタケ栽培の原木に、また炭焼きに
小枝は粗朶として焚き付けの材料などに利用されます。

*** 1月12日 ***
*** ワイヤーロープ掛け ***
天気予報は昼頃から雨、樹齢50年のコナラの伐採は危険な作業です。雨が降る前に、切倒すことを優先に、片付けは何時でも出来ます。
吊下げ用のワイヤーロープと倒す方向コントロール用のロープ掛け作業を。

*** 弘法も筆の誤り ***
斜面林の樹高の判断は難しいことです。吊るした幹をロープワークで倒す方向は正しかったのですが、コントロールした先に軽トラックが!
樹高10m長のコナラの先端が軽トラの上に、予想以上の樹高でした。

*** 林縁に誘導 ***
竹林からサラサラと気になる音が聞こえ始めました。予報通り、氷雨が霙となり、気温も下がってきました。
短い休憩後、霙も一段落、最後のコナラの切倒しです。
ヤマの作業に長けた3人のチームワークもピッタリに、
そのまま倒せば西側の茶畑に落ちるコナラの太い幹、
弧を描き90度旋回し南側の林縁に軟着陸、見事な技です。

*** 霙から雪に ***
降りだした霙が雪に変わり、軽トラックの窓や茶畑も、そして、雑木林は白い世界に変わり始めました。
予定のコナラの伐採は完了、これ以上の作業は危険です。
区切りの良い所で、残りの作業は後日にし、撤収です。

*** 数日後 ***
*** 雑木林への訪問者:メジロ ***
雪交じりの中の作業から数日後、後片付けの算段にチカタへ出かけました。伐採されたコナラが明るい陽射しを浴び林縁に、早く片付けなければと
思いつつ、目を向けた先の可愛い訪問者はメジロでした。

*** 樹齢は60年以上 ***
今回伐採したコナラの年輪、幹の中心部分が腐り始めていましたが、太いコナラは60年を超えており、1950年頃(昭和25年)の誕生です。
年輪の成長を見ますと、30~40年頃が一番成長しています。
時代はバブルの1980~1990年頃、何か関係は有るのでしょうか?

*** 2011年4月 萌芽 ***
伐採してから1年3か月を経過した春、樹齢60年を過ぎたコナラのコナラの切り株から20本以上の「ひこばえ(新芽)」が出ました。
この「ひこばえ」は1.5㎡以上に伸びており、ドングリを捲いて
苗から育てるより、効率よく雑木林の再生が可能となります。
この「ひこばえ」を、地際や側面からの2~3本を2年後位に、
選択し育てることにより、15~20年後、雑木林は再生できます。
これを「萌芽更新」と言い、里山の雑木林は管理されてきました。

2011年 4月30日 撮影
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